Welcome Aboard -旅するために旅をする

現在、絶賛無職中の僕が、世界中を旅するブログです。

香港編 ・Don't think. Feel !

北京から香港へ向かう飛行機の機内。僕は指定された席にたどり着いた。隣の人物を観て、「あ、コバヤシ君」と思わず声に出しそうになる。
隣の男性は、僕の地元の友人、推定体重90キロオーバーのコバヤシ君にそっくりだったのだ。最近会ってなかったけど、元気してたか?コバ。と声を掛ける訳にもいかず、とりあえず座ろうと思った。
しかし、彼のたくましい太ももは僕の席に領土侵攻しており、このまま座れば僕が半けつ状態になることは避けられそうになかった。彼に責任が帰する話しではないが、何とかしなくては。。
僕は思わずCAのお姉さんを観た。すると何かを感じたCAさんが、こっちにやって来て「コバヤシ様、隣のお客様が半けつ状態になられて在られます。もう少し詰めて頂けますか?」などと言ってくれるはずもなく、仕方なく僕は、おそるおそる座ってみることにした。普通に座ると少しキツいが、コバヤシ君の方に体重を預けるように座ると意外と快適だった。
コバヤシ君も慣れているらしく、体重を掛けられても特に何も言ってこなかった。
香港までの4時間、体型だけコバヤシ君との一方的な連帯感。
そして、窓から見える香港のオレンジ色した夜景。悪くない時間だった。深夜に到着したので、その日は空港に泊まった。

翌朝、僕は2階建てバスに揺られて宿に向かった。
車窓から見える高いビル郡、九龍島と香港島を結ぶフェリー、そして抜けるような青い空。そんなものを眺めていて、ようやく自分が香港に到着したのだと実感し始めた。
香港は都会の中の都会であった。北京では大きなビルに囲まれていても、すこし移動するだけで、一昔前の中国を見つけることができたが、香港はどこまで行ってもピカピカとした真新しい人工物で出来ていて、香港というひとつの大都市を形成していた。
ほとんど寝ていないにも関わらず、新しい街に来た高揚感があり、僕は香港の街をほっつき歩くことにした。
とりあえず、真っ先にむかったのが九龍のメインストリートのネイザンロード。香港を訪れた人なら一度は耳にしたことがあるはずだ。100万ドルの夜景と並んで、この通り沿いに突き出た看板のイルミネーションは、香港を代表する風景のひとつになっている。

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気づけば夜になっていた。きらびやかなイルミネーションがぎっしり並びだし、煌々と照らされたメインストリートには、人が溢れかえってきていた。買い物のメッカでもあり、大きなショッピングモールや最新の流行を求めるショップ、ナイトマーケットの露店など、大小様々な店があった。ただただ眺めているだけでも、楽しかった。
次の日、僕はアベニュー・オブ・スターに行った。
ここは海沿いにあるストリートなのだが、「アジアのハリウッド」と称され、世界中に熱狂的ファンが多い香港映画の一番の名所でもあった。
無声映画時代から現代まで、香港映画の発展の歴史を記した記念碑が並び、歩いてるだけで、香港映画通になれた。
地面には歴代香港映画のスター達の手形とサインが納められていた。

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数あるみどころの中でも、美しい景色と一緒に写真に収めたいNo.1は、なんと言ってもブルース・リーの像だろう。
何を隠そう僕は、子供の頃からブルース・リーの大ファンだったのだ。僕は心の中で「あれから色々あったけど、少しは成長できたかな。。ブルース」と語りかけた。彼はやっぱり「Don't think.Feel」と言ってくれてる気がした。
ブルース・リーと言えば大学時代の先輩のT部さんを思い出した。
僕は海外での災害援助から、過疎地の地域起こしまで何でもこいのボランティア団体に所属していたのだか、そこでT部さんと知りあった。
当時、僕たち一年生はボランティア先で披露する、よさこいの練習をしていた。そこにやって来たT部さんは、何故か筋トレを始め、「いいか、ボクシングのパンチとジークンドーの掌ていの違いを教えてやる」といい始め、僕らに懇切丁寧に説明し、教えてくれた。よさこいは教えてくれなかった。
T部さんはなかなか面白い人で、とんでもなくキレる頭脳の持ち主にも関わらず、男子中学生の放課後ノリをいつも持ってる希有な男だった。僕はT部さんのことが大好きだった。また機会があればT部さんとの思い出も書きたいと思う。
帰る前にブルース・リーと、2ショットの記念撮影をしようと思った。
近くにいた人の良さそうな男性に話しかける。義務とまでは言わないが、礼儀としてやらねばと、(なんの礼儀か知らないが)ブルース・リーと同じポーズをして、顔マネをした。お兄さんに笑われた。僕も笑った。
なんだか香港と仲良くできる気がしてきた。
理由はない。
Don't think. Feel !なのだ


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